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画・甲斐大策

陸に上がって記者になる

私の地方紙奮戦記
井口幸久
本体:1700円+税 *四六判並製/224ページ

陸(オカ)の論理を打ち破れ!
船乗りめざした青年が、
おのれのペンを羅針盤(コンパス)に、
メディアの海へ漕ぎ出した!
抱腹絶倒の“商船”時代を経て、向こうみずに飛び込んだ地方新聞社。
理屈では解けない人間の実相を追い求めて、特ダネの修羅場から巷の揉めごと、はては“電脳”との戦いまで―
時代の逆風を受けながら走り続けた40年の悲喜交交を綴った航海日誌(ログブック)。

「会社訪問に行くがお前も来んや?」
高校時代の友人Kからの誘いに乗った。「オカに上がる」ことに傾いてはいたが、就職活動をどのようにしたものか分からない。(略)
「井口君は指定校じゃないけん、ちょっと難しかねえ」
指定校の学生でなければ受験もできない。娑婆には娑婆のルールがあるのか。暗然たる気持ちでKと酒を飲んだ。
翌朝、新聞を眺めると一面のトップに大型フェリーと貨物船の衝突事故の記事があった。ツラツラ読んだが状況が分からない。何度読み返しても辻褄が合わない。
「何じゃ、この記事は?」
よし、ここを受けてみよう。こんな記事は粉砕すべきだ。私はそんな動機だけで西日本新聞社を訪ねた。(本文より)

目次
はじめに
第1章 私の大航海時代
商船大学学生寮/練習船日乗/南洋珍道中/幸福のグリーンフラッシュ/やがて哀しきハワイ航路
第2章 特ダネ狂騒曲
南国・鹿児島へ/世紀の当て逃げ事件/走れイノクチ!/島原大変/母乳から出た特ダネ
第3章 リメンバー・ニュースペーパー
“電脳時代”がやってきた!/KOBEの日々/介護タクシー奮戦記/ミロク先生との出会い/電脳界の巨人/盤上の勝負師たち

井口幸久(いのくち・ゆきひさ)
1956年、福岡市生まれ。1980年東京商船大学(現・東京海洋大学)卒。同年、西日本新聞社入社。鹿児島総局、北九州支社、社会部、宮崎総局、文化部長、佐賀総局長等を歴任。2016年、退職の後は九州文化協会、福岡文化連盟事務局長を務めた。著書に『介護タクシーを知っていますか』(角川書店)『小伝・弥勒先生』(西日本新聞社)『石心  囲碁棋士・大竹英雄小伝』(石風社)『絵描きと画材屋 洋画家・野見山暁治と山本文房堂・的野恭一の五十年』(忘羊社)がある。

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